真恋姫†無双SS 董卓√ 第20話
城に着いた後は俺はいわゆる軟禁状態と成った。
賈駆からある程度説明があったが、それを要約すると『天の御使いと言う名前を、人心を得るために利用したい』ということだ。
ただ、今はまだ時期尚早らしい。
なので、あまり俺の正体が民草や間諜に知られないように城の中でひっそりとしていた。
「でも、この間の山賊や村長には知られたけど構わないのか?」
俺が賈駆に尋ねると・・・・
「あの者達は処分したし、それでも少しは洩れるでしょうけどそのくらいが良いのよ。根も葉もない噂・・・・よりは若干信憑性がある程度がね。」
「ボク達が突然『天の御使い様降臨。』とか言うより良いでしょ。もう少ししたら少しずつ表に出て貰うから。それまで大人しくしてなさい。」
「なるほどね。噂を逆に利用する訳か。流石賈駆ちゃんは凄いね。」
俺がそう言うと、賈駆は少し顔を歪めて不機嫌な感じで言った。
「それと、その賈駆ちゃんって言うのはやめて。・・・・・・・詠・・・」
「は?」
いや、それが賈駆の真名だと言うことは知っていた。
月が散々口にしていたからだけれど・・・・・
「ボクの真名よ。」
賈駆からは不本意さがにじみ出ているが、それでもはっきりとした口調で言い放つ。
「いいのか?」
「月を真名で呼んでるんだから仕方がないわ。それにこれからあんたを立てなきゃいけないんだから・・・・」
「そうか、それなら遠慮無く呼ばせて貰うよ。その方が嬉しいしね。」
「人前ではあまり呼ばないでよね。」
「判ったよ、詠。」
「・・・・・・・・・」
「あ、それと・・・・・・・」
「ん、なに?」
「それならば俺のことは一刀って呼んで貰いたいな。」
「・・・・・調子に乗らないでよね、今回の事だってあくまで応急処置なんだから。あんたのことだってまだ完全に信用した訳じゃないし・・・・もし、月に手を出したらただじゃ置かないんだから・・・」
「ん、肝に銘じとくよ。」
怒ったようにその場から離れていく詠を、俺はにこやかに見送った。
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久しぶりです。
微妙に続きというか幕間というか・・・・
真名はやっぱり良いですよねぇw
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