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2010年6月

2010年6月23日 (水)

真恋姫†無双SS 董卓√ 第25話

俺は彼女を見て挨拶をした。

「やぁ、君が武芸者さん?俺は城から派遣された軍を率いている北郷って言うんだけど・・・君の名前を教えてくれるかな?」

だが、その台詞に彼女は感嘆の表情をした。

「へーー、うち自分から名乗る官軍の大将と初めて逢うたわ・・・・」

そして俺の顔をジロジロ見回しながら名乗りを上げた。

「おっと、うちは張文遠っていうケチな武芸者や。ふーん・・・・・なんかお兄さん官軍って感じがしやせんなぁ・・・」

「そう?まぁ、褒め言葉と受け取らせて貰うよ。」

「あははは・・・・・おもろいなぁ・・・・・気に入ったわ。」

張遼はその場にどかっと座るとこちらに正対した。

よく見ると布面積は広いものの結構目のやり場に困る格好をしている。

「で、何か聞きたいことが有るんやて?」

「あ、あぁ・・・・張遼さん・・・でいいのかな?実は少し前にこの村を襲った山賊について何だけど・・・」

「あぁ、あの野郎共のことやろか・・・・・」

「うん・・・・・撃退したって聞いたけど、何人くらい居たのかな?」

「ほんの20人くらいやったわ・・・・軽く撫でたら逃げ帰って行ったで」

「ふーん。本当に探りに来ただけなのかな・・・・・・近くの山砦に200人くらい籠もっているはずだけど再度襲撃とかは無かったの?」

「いーや、村長はんからはまた来られたら困るからって滞在するように頼まれたんやけど三日ほど音沙汰無しやな。」

「そうかぁ・・・・」

この村を偵察に来たのなら三日も山賊共がそのままにするとは思えない。

と、いうより偵察などする物だろうか?

200人の山賊ならこの程度の村はひと呑みだろう・・・・・

と言うことは別の理由で山賊達は山に籠もっているのでは・・・・・・

俺は無い頭で色々考えたが結論は出てこない。

「なんか難しい顔しとるなぁ・・・・あんま考えても良いこと無いで!」

そんな俺の表情を察したか張遼が声を掛けた。

「あ、あぁ・・・・有り難う張遼さん。参考になったよ。とりあえず山賊共は俺達が退治するから。」

「村長さん達も安心してくださいね。」

そうお礼をすると俺は村人から山の地理に詳しい人物を募った。

前方を囮にして後方から遊撃するという古今東西ありがちな戦法をとるためだ。

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2010年6月16日 (水)

真恋姫†無双SS 董卓√ 第24話

「それで、詠・・・・・賈軍師からの報告だと近くに村があるそうだけど?」

俺は軍の補佐官に尋ねる。

「はい、ここから1里ほど離れた場所に有ります。」

「1里か・・・近いね・・・・その村は山賊達の被害は受けてないの?」

中国大陸で言う1里とは約400mのことだ。

「何度か襲撃されたとの報告はありますが今のところ防いでいるとのことです。」

「へぇ、凄いね。」

それを聞いた俺は少し考えた。

いくらこちらが5倍の戦力とは言え山砦に籠もっている敵相手に力押しではそこそこの被害が出かねない。

大切な兵達は出来るだけ減らしたくない。

「そうだ、その村に行って話を聞いてこよう。もしかしたら何か情報が得られるかもしれない。」

俺はその村に向かうことを補佐官に告げた。

補佐官には『別の者を向かわせれば』と反対されたが、俺は是非自分の目で見ておきたかったので充分な護衛を付けると言うことで説得した。

そうして村に斥候を出すと俺は村の中に入った。

村の周りには柵が張り巡らされそれは山賊に対する防護であることが推測された。

俺は門番と思える若者の案内で村長宅に案内された。

そして、村長と思われる初老の男性に話しかけた。

「貴方がこの村の村長さん?俺達は城から山賊退治に派遣された軍だけど少し話を聞いても良いかな?」

「これはこれは太守様のお気遣い有り難うございます。なんなりとお聞きください。」

恭しく返事をする村長。俺は少し疑問に思ったことを尋ねた。

「山賊達はこの村にも襲いかかったと聞いたけど良く無事だったね。見たところそんな被害も無いようだけど。」

先日の件もあるので若干色眼鏡だが最初から疑うのも良くはない。

「はい、山賊達は襲撃と言いましても下調べの序でのような感じでした。それに丁度今、当村に武芸者の方が逗留していましてその方が追い返してくれたのです。」

「へー、武芸者さんねぇ・・・・その方にお会い出来るかな?」

「あ、はい。丁度お礼も兼ねて当家にもてなさせて頂いて居ますので・・・・おい、張遼様を呼んで来てくれるか?」

村長は小姓に声をかけると呼びに向かわせた。

『・・・・・今、聞いたことのある名前が出てきたけど・・・・・・・・』

そう思ったときに奥から女性の声が聞こえた。

しかも、それは前の世界の友人から良く聴いた感じのイントネーションだった。

「ウチは堅苦しい事は嫌やねん。城の使いなんぞに会いたくなんかあらへんで」

「申し訳ありません。でも主のご指示ですので。」

「しょうがあらへんなぁー、世話になってるやから・・・・・顔を出すだけやで?」

そうして奥から現れた人物は年の頃は俺と同じくらいの美少女だった。

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またまた久しぶりの更新。

そしてこの子登場です。

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2010年6月 8日 (火)

真恋姫†無双SS 董卓√ 第23話

華雄将軍率いる千の兵は隊列も見事に進軍していく。

俺は一緒について行くのみだ。

「流石にこれだけの部隊が進んでいく様は圧巻だなぁ・・・・。」

まるで人ごとのように呟く。

「おいおい、余裕じゃないか?」

隣にいた華雄将軍はその呟きが聞こえたのであろう。俺に笑顔で話しかけた。

「いやぁ、まだ実感が湧いて居ないだけだと思うけどね・・・」

「こう言う物は経験の積み重ねだ。その重みも段々知ることと成ろう。」

「華雄将軍も最初は戸惑ったの?」

「そうだな・・・・・私でも最初は色々有ったさ。負けたこともある。」

「へぇ・・・・華雄将軍を負かす武将ってどんな凄い武将なの?」

「・・・・・江東の孫堅という武将だ・・・・奴は強かったな。」

「そんけん・・・・・・お父さんの方?」

「・・・・・孫堅は女だぞ。私を倒すのだ。当然だろう・・・・」

『女・・・・・・そうか・・・・・他の武将もみんな女だという可能性があるのか・・・・』

ここはいわゆるパラレルワールドだ・・・・・ならばそう言う事も不思議ではないという心構えがこの会話で出来た一刀だった。

「だが、確かに奴には娘がいたはずだ・・・・・孫策と孫権とか言ったかな・・・」

「へぇ、やっぱり。」

「ふむ、やっぱりというからには知っておったのか・・・・・なにやら不思議な知識は、流石天の御使いと言うべきか。」

「まぁね・・・・どこまで合致するか判らないけどこの国の知識はあるよ。」

「まぁ、その辺は賈駆にでも話してやってくれ。私は難しい話しは性に合わん。」

そんな雑談をしていると目的の場所が近づいてきた。

俺達はその近くに陣を張ると軍議を開いた。

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今日は短くここまでです

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2010年6月 7日 (月)

真恋姫†無双SS 董卓√ 第22話

次の日、俺は千の兵を与えられて山賊退治に向かうことと成った。

華雄将軍も一緒に帯同する。

慄然と並ぶ千の兵を見た俺の緊張はすでにMAXだった。

それは挨拶を求められて前に出たときの手足が同時に出る歩き方からも一目瞭然だった。

しかし、俺がしっかりしないと月や詠達に迷惑が掛かると思い、懸命に言葉を絞り出した。

「みんな、気を引き締めていこう。」

それが俺の第一声だった。

「おーーーーーーーっ!」

そんな言葉でも兵達は答えてくれる。

流石詠達が鍛えた兵だけのことはある。

俺が壇上から降りると、詠と、心配そうに見に来た月が待っていた。

「一刀様、本当に大丈夫でしょうか?」

月が尋ねるがそれには詠が答える。

「200人の山賊相手に千の精鋭を向かわせる訳だからね。いくら一刀が初陣でも問題無いわよ。」

「うーん、確かになぁ。敵よりも多くの戦力を用意するのは兵法の基本だけどな・・・・。」

「へー、そう言うことは知ってるのね。」

「あぁ・・・・でも少しやり過ぎじゃない?」

「ボクもそう思うけどね・・・・・月があんまり心配するから。」

「へぅーーー。」

詠の言葉に照れて顔を赤らめる月

「でも、心配してくれた有り難うな。」

そう言いながら俺は月の頭を撫でた。

「へぅーーーーーー。」

さらに照れる月の隣で詠は怒り出した。

「こらっ!何度も言ってるけど月はここの領主なの。簡単に撫でるなんて許されないんだから。」

「あぁ、ごめんごめん。初めてあったときの印象からどうも抜け無くってね。」

「まぁ、一刀の立場からまだ許されるけど・・・・・あまり馴れ馴れしくするのは許さないんだから。」

そんな感じで言う詠の姿が、なんだか可愛くって、つい詠の頭も撫でたくなってしまう衝動を俺は必死に耐えるのだった。

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2010年6月 6日 (日)

真恋姫†無双SS 董卓√ 第21話

真名は良いんだけれど、董卓軍には最大の難関が居ます・・・・・

萌将伝で何とかなると良いんだけど・・・

でも話しを引っ張った後に出されるのも嫌な感じですね。

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「ガスッ!」

俺の手から離れた剣が地面に突き刺さった。

「参りました。」

俺は降参の意思表示をする。

肩で息をする俺に対して、華雄将軍は汗一つかいていない。

「大分良くは成ってきたがまだまだだな。」

冷静な評を下す華雄将軍。

「はぁ・・・・有り難うございます。」

俺は呼吸を沈めながら剣を取りに行った。

と、そこに詠が現れて華雄に尋ねた。

「どうなの?一刀は使い物になりそう?」

「ふむ、一兵卒としてはそこそこだが、此奴は御旗と成るのだろう?」

そう言いながら詠の方を見ると、詠は頷いた。

「なら危なかしくって前線には出せんな・・・・・。」

「それなら後方で指揮を取る感じかしら・・・・・そちらの方はどう?」

「うむ、そちらの方が向いているかもしれないな。いまも訓練中にどうやったら私から一本取るか必死に考えていたしな。」

「戦力の把握等は割と当を得ているようだな。」

そう言って俺の方を見る華雄将軍。

「いや、ただ懸命だっただけだよ。」

褒められることにはあまり慣れていない俺は照れながら言った。

「ふーん、華雄将軍が褒めるなんて珍しいわね・・・・・。」

「ただ、こればかりは実戦を積まないとな。」

そう言われた詠は少し考えて言った。

「なら丁度良いわ。少し離れた山に山賊達が立てこもっているという知らせが入ったのよ。これの討伐に向かってくれるかしら。」

「俺がか?」

「うん。」

「いきなり実戦はどうだろう?俺って結構平和ボケしてるよ」

「習うより慣れろって言うしね。大丈夫。華雄将軍に行って貰うしそれなりの戦力は出すから。」

「そうか。華雄将軍期待してますよ。」

「おお、私に任せておけ。なぁに山賊などあっという間にけちらしてみせるさ。」

そう言う華雄将軍を見ながら一抹の不安を感じる一刀だった。

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お久しぶりに続きです。

決して諦めた訳ではないので少しずつですが上げていきますね

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