真恋姫†無双SS 董卓√ 第29話
敵の攻撃は熾烈を極めたがそれは相手に焦りがある証拠。
それを突くように指示した我が軍はのらりくらりと躱すように攻撃をしのいだ。
砦に籠もり時間稼ぎを重きとすれば正規軍である我が軍は、例え5対1の戦力差でも何とかなった。
我が軍には華雄将軍という一騎当千の将が居るのも優位に立てる点だった。
わざと隙を見せ、そこを抜けた兵を華雄将軍がたたき落とすという力業を行えたのも一陣を凌げた理由になるだろう。
「敵は引いたかな?」
俺は参軍として付いている副官に尋ねた。
「一度体勢を整えるようですね・・・・いまの戦闘で500ほどの兵力を失ったようです。」
「こちらの被害がほぼ無いことを考えるとかなりの戦果ではありますが、まだまだ戦力差は圧倒的です。このまま疲弊すればいずれ落とされることになるかと・・・。」
「そうだねぇ・・・・・でもさっきの攻撃を見ただろ。かなりの無茶責めだ。」
「はい・・・・。」
「奴らに時間の無い証拠さ・・・・それはもうじき解るよ。」
俺は続けてくる斥候の連絡に確信を持って言った。
場所は変わり、ここは西涼と董卓領の国境。
戦場となっている山間部とはさして遠くない場所だ。
「奴らちょこまか逃げやがって・・・・一気に追い詰めるぞ!」
馬上で槍を構える女性戦士はその凛々しい顔つきでぶっきらぼうな台詞を吐く。
「でも翠お姉さま、ここはもう国境ですよ・・・・」
その横に張り付くように同じく馬を駆る少女が進言する。
「そんなの知るか!賊達が逃げ込んだら董卓の所だって困ってるに決まってる。それに帝の命令だって有るんだ・・・」
「でも断りも無しに進軍したら後で問題になるんじゃないかなぁ」
「後で断っとけば問題無いって。」
『・・・・・これだから脳筋は・・・・・』
呆れる少女だったがそこに伝令が届く。
それは董卓軍からの軍使が訪れたと言うことだった。
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コメント
読ませてもらいました。次回楽しみにしてます。
投稿: RuY | 2010年8月 5日 (木) 23時00分