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2010年8月 8日 (日)

真恋姫†無双SS 董卓√ 第30話

「よおっし、問題はなくなったし・・・・・一気に行くぜ。」

やる気満々な少女・・・・・名は馬孟起。

錦馬超との名も高い西涼の跡継ぎだ。

「さぁ、急いでいくよ、翠姉様。」

その隣ですでに馬にまたがっている少女・・・・名は馬岱。

「おいおい、蒲公英。さっきとは随分態度が違うじゃないか?」

先ほどまではあれほど消極的だった馬岱が突然やる気になったのに、馬超はついつい突っ込みを入れた。

「だって、董卓軍から許可が出たんでしょ。それに、その書文によるとどうやら董卓軍の部隊に噂の天の御使い様が居るみたいじゃない。」

「私一度見てみたいー」

「蒲公英、戦は遊びじゃないんだからな。」

「わかってるよー。それより早く行かないと董卓軍が危機みたいだよ。」

「・・・・・・よし、一丁やってやるか。」

すでに臨戦態勢だった西涼の騎馬部隊は賊軍に向かって一気に走り出した。

 

最初の攻撃がすんだ後、敵軍は陣を整え直した。

どうやら黄巾党の軍は5000で一気に襲いかかれば俺達が逃げると踏んでいたらしい。

それ故のあまり包囲をしない、一方方向からの力責めであったようだ。

だがそれは俺の思惑通りであったのと同時に、俺達が逃げるつもりが無いと言うことを敵軍に知らしめた。

かといってゆっくり攻める余裕が彼らにはなく、簡単に陣立てすると、今度は3方向からの攻めを開始した。

「右は華雄将軍が100の兵で守って貰えますか?」

「あぁ、任せておけ。」

余裕綽々で答える華雄将軍。相変わらずこの人は頼りになる。

「左は・・・・・張遼さん。200の兵で守って頂けますか?」

俺は不躾ながら張遼にお願いをしてみる。

彼女の名と力は本物だと思えたからだ。

しかし、彼女は我ぶりを振った。

「ダメ・・・・・ですか?」

当然正規軍でない彼女に俺の指示に従う必要はない。

それでも当てになる戦力が使えないのはとても痛い。

ところが、彼女の台詞は予想外の物だった。

「おいおい、北郷の兄さん。この姉さんが100で守れるところをウチに200って舐めて貰ったら困るで。」

「ウチやったら80で充分や。」

そう言った張遼に今度は華雄将軍が噛みついた。

「おいおい、それだったら私は50で守りきってみせる。」

「なんやと、じゃぁウチなら1人で充分や。」

そんな言い合いを頼もしく思いながら、俺は決断を下す。

「2人とも100の兵で守って貰うよ。これは俺のお願い。いいね?」

「うむ、北郷がそこまで言うのなら・・・・」

「北郷の兄さんのお願いじゃぁ聞かん訳にはいかへんな。」

「この攻撃を凌げれば砦は守りきれるよ。みんな、頑張って行こう。」

俺は将達や兵達の前で声を張り上げる。

兵達の士気が上がるのを見て、天の御使いという肩書きも悪くないなと思ってしまった。

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コメント

読ませてもらいました。次回楽しみにしてます。

投稿: RuY | 2010年8月12日 (木) 09時42分

久しぶりに来てみたらたくさん更新されててびっくりです。次回も楽しみに待っています。

投稿: kai | 2010年9月 3日 (金) 05時29分

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