SS

2011年1月30日 (日)

真恋姫†無双SS 董卓√ 第32話

戦いを終えると、こちらの陣に向かって2人の将らしき少女が馬に乗ってやってきた。

そして、俺達を見つけるとその少女は馬を下りて近づいてくる。

「我が名は馬孟起。この軍の大将は居るかい?」

凛とした透き通った声を発する。

「あぁ、俺がそうだよ。」

俺は一歩前に出て答える。

しっかり見ると整った顔立ちに少し太めの眉、今まであった娘達とは変わった魅力がある。

『この娘が馬超なんだね・・・・・・女の子なのは想定内か・・・・』

俺が見つめると、突然馬超の態度が変わった。

「えっ、えっ・・・・・・・・・・」

顔を赤らめる馬超。すると、隣に居た少女が突然話し出す。

「翠姉様は男の人に慣れてないからねぇ、貴方が天の御使いさんですか?」

先ほどの馬超の荘厳そうな態度よりも気さくな感じでしかも可愛らしいと言う言葉が似合う少女が話しに割って入った。

「えーと、そう呼ばれることが多いかな・・・・君は?」

馬超と同じく太い眉毛を持っているが、人懐っこしい瞳をキラキラさせてその少女は答えた。

「やっぱりーー!へーーー、なかなか男前じゃん。あっ、私は馬超の従姉妹の馬岱って言います。」

俺はその勢いに押されてポーットしてしまうと、我を取り戻した馬超が馬岱をしかりつけた。

「蒲公英、いい加減にしろ!・・・・・・・え、えーと、御使いさん?」

困ったようにこちらをチラチラと見ている馬超を見て、俺は自分が名乗って無いのに気がついた。

「あぁ、名乗ってなかったね。俺の名前は北郷。字とかは無いんだ。」

「へぇーそうなんだー、いかにも天上人みたいな感じで格好良いね-」

叱られたことも全く意に介さずに変わらないテンションで話しに入ってくる。

馬岱ちゃんはとても明るい娘のようだ。

しかし、その馬岱の頭に馬超の拳骨がヒットする。

「あたっ!」

頭を抑えて蹲る馬岱。

「だからお前は静かにしてろって・・・・・・私の話が終わらないじゃないか・・・・・」

そう言って馬超はこちらを向いて両手を合わせた

「北郷さん・・・・だったか・・・・・黄巾党退治の援護・・・・・ありがとうな」

余りこう言った謝辞に慣れていないのか、若干辿々しくはあったものの、礼を尽くした少女に俺は当然礼を返す。

「こちらの方も馬騰軍が来てくれなかったら全滅だったよ。ありがとうね。」

にこやかに返答する俺に、本当に慣れていないように顔を赤らめながら深々と頭を下げる少女がいた・・・・

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いやぁ久しぶりの更新です^^;

いまだに月が俺の嫁なのは変わりませんw

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2010年10月29日 (金)

真恋姫†無双SS 董卓√ 第31話

俺達が守る中央はかなりの激戦と成る。

場所が広いだけあって敵軍の数も多いからだ。

それでも流石に砦と成っているので即白兵戦とは成らない。

とりあえずは弓の打ち合いである。

俺は即興で柵に窓を付けさせた。

そこから弓を射たり、槍を突き出したりするためである。

昔テレビの情報番組で城の防衛の際に作られたというのを参考にした。

それが意外と弓をかいくぐり接近してくる敵達に有効だった。

「敵の様子はどう?」

俺は副官に尋ねる。

「は、数カ所取り付かれては居ますが全て撃退しています。」

「こっちの被害は?」

「幾人かけが人は出ていますが、まだまだ損害は微少です。」

「ここを乗り切れば勝てるよ。後一がんばりだね。」

「はい・・・・・しかし、城から援軍はまだ届かないと思われますが?」

俺の自信満々な態度とは逆に、不安を感じた副官は尋ねる。

「あぁ,それはね・・・・・・・」

俺が副官の疑問に答えようとしたとき、物見の兵から報告が入る。

「敵軍後方に砂塵有り・・・・・現在は正体不明です。」

その報告を受けて俺はにやりとした。

「これが援軍でしょうか?」

副官は俺に尋ねるが俺はまだ冷静に答える。

「まだ正体はわからないけどね、予想よりも少し早いし・・・・・敵の援軍という可能性も有る。」

そうこうしていると続けざまに報告が入る。

「後方から接近中の部隊の、旗頭は「馬」おそらくは隣国の馬騰の兵だと思われます。」

「どうやらビンゴのようだね。」

「びんご?」

「味方だって事だよ・・・・・・馬騰軍はどうしている?」

「速度を落としていません。どうやらこちらに突っ込んで来る様子です。」

「よし、連携して叩くよ。馬騰軍が突入すると同時にこちらからも兵を出して。」

馬騰軍が黄巾党達の後方から突っかかると同時にこちらの兵は打ち方を止め、前方から槍兵を突入させた。

数の優位を完全に分断された黄巾党達はとたんに逃走を始めた。

「よし、勝った。」

俺が気勢を上げると兵達も歓声を上げた。

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久しぶりの更新です。

涼しくなったのでがんばれるかも^^;

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2010年9月12日 (日)

TINAMI用予定だった書きかけ・・・・

相変わらず暑いですね・・・・

何にもないのもアレなのでTINAMI用に書いたSSのさわりだけ上げてみます。

ベースは萌将伝に成ります。

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「ご主人様ぁ、暑い、暑いよう。」

俺の横で両手をバタバタさせて騒いでいるのは蒲公英だ。

そんなに騒いでいたら余計暑くならないかなと思いつつ、俺もこの暑さには相当頭が溶けていた。

「そうだ、泳ぎに行こうご主人様!前に作ってもらった私たちの水着が見られるよ・・・・・ね!」

そう蒲公英が魅力的な案を提示するものの俺は首を振った。

「だめだ。仕事がたまっていてそれどころじゃない。」

実際俺の眼前には山のように積まれた書簡が聳えている。

「えー、いいじゃん。そうだ・・・・・ご主人様と二人っきりなら蒲公英水着無しでも良いよー。」

「えっ・・・・・・」

相変わらず大胆な蒲公英の発言に少し心が揺れ動いたがこの書類を置いて行ったときの愛紗の台詞を思い出す。

 

『ご主人様は民のことを第一に考えておられる方ですから案件を放って置いて遊びに行かれる・・・・・・なんてことは当然無いですよね。』

 

そう言いながらにこやかに大量の書簡を置いて行ったのだ。

その笑顔には寒気さえした。

「ダメだ、ダメだ。この書簡を片付けないと俺に未来は来ないのだ。」

そう言う俺に蒲公英はさらに口を脹らまして言った。

「ぶーぶー・・・・そんなに愛紗が怖いの?」

「解ってるなら聞くな・・・・・」

「うーーーーー」

蒲公英も愛紗の恐ろしさを思い出したかのように黙ってしまうが少し経ってまた口を開いた。

「ところでご主人様、天の国にはこんな暑い日に涼をとる方法って無かったの?」

突然の蒲公英の質問にちょっと虚を突かれたが、そう言われてみればと俺は返事をする。

「そうだなぁ・・・・氷菓子とか、冷水とか有ったが、究極なのはクーラーとか扇風機かな。」

「くうらーってなに?」

「まぁ、ちょっと説明し難いよなぁ・・・・・」

「せんぷうきってのはなんだか涼しい感じもするけどくうらーは全然わかんない」

「冷たい空気が出る絡繰りなんだけど・・・・実現は無理かな・・・・俺も良く仕組みは解らないし・・・・」

「えーっ、そうなんだぁ」

ガッカリする蒲公英のを見ながら俺は一つ思いついたことがあった。

「でもな、蒲公英。俺の居た世界にはこんな言葉があるぜ。『心頭滅却すれば火もまた涼し』ってな。」

それを聞いた蒲公英が頭を捻る。

「えーっと、それってどういう意味?」

「つまり涼しいと思い込めば火の中でも涼しいって意味だったかな」

「そんなの脳筋の理論じゃん。」

蒲公英は舌をはぁはぁ言わせながら反論する。

しかし、そういう風に言われると俺も少しムキになる。

「それとなあ、俺が居た所には我慢大会ってのが有ってだな・・・・」

「暑さを如何に耐えるかという精神修行も兼ねていたのだよ。」

「うっへーー。」

それを想像しただけで気分が悪くなった蒲公英だったがその時に意外な方向から声がした。

「へー、面白そうじゃん。」

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こんな感じで書いてました。

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2010年8月 8日 (日)

真恋姫†無双SS 董卓√ 第30話

「よおっし、問題はなくなったし・・・・・一気に行くぜ。」

やる気満々な少女・・・・・名は馬孟起。

錦馬超との名も高い西涼の跡継ぎだ。

「さぁ、急いでいくよ、翠姉様。」

その隣ですでに馬にまたがっている少女・・・・名は馬岱。

「おいおい、蒲公英。さっきとは随分態度が違うじゃないか?」

先ほどまではあれほど消極的だった馬岱が突然やる気になったのに、馬超はついつい突っ込みを入れた。

「だって、董卓軍から許可が出たんでしょ。それに、その書文によるとどうやら董卓軍の部隊に噂の天の御使い様が居るみたいじゃない。」

「私一度見てみたいー」

「蒲公英、戦は遊びじゃないんだからな。」

「わかってるよー。それより早く行かないと董卓軍が危機みたいだよ。」

「・・・・・・よし、一丁やってやるか。」

すでに臨戦態勢だった西涼の騎馬部隊は賊軍に向かって一気に走り出した。

 

最初の攻撃がすんだ後、敵軍は陣を整え直した。

どうやら黄巾党の軍は5000で一気に襲いかかれば俺達が逃げると踏んでいたらしい。

それ故のあまり包囲をしない、一方方向からの力責めであったようだ。

だがそれは俺の思惑通りであったのと同時に、俺達が逃げるつもりが無いと言うことを敵軍に知らしめた。

かといってゆっくり攻める余裕が彼らにはなく、簡単に陣立てすると、今度は3方向からの攻めを開始した。

「右は華雄将軍が100の兵で守って貰えますか?」

「あぁ、任せておけ。」

余裕綽々で答える華雄将軍。相変わらずこの人は頼りになる。

「左は・・・・・張遼さん。200の兵で守って頂けますか?」

俺は不躾ながら張遼にお願いをしてみる。

彼女の名と力は本物だと思えたからだ。

しかし、彼女は我ぶりを振った。

「ダメ・・・・・ですか?」

当然正規軍でない彼女に俺の指示に従う必要はない。

それでも当てになる戦力が使えないのはとても痛い。

ところが、彼女の台詞は予想外の物だった。

「おいおい、北郷の兄さん。この姉さんが100で守れるところをウチに200って舐めて貰ったら困るで。」

「ウチやったら80で充分や。」

そう言った張遼に今度は華雄将軍が噛みついた。

「おいおい、それだったら私は50で守りきってみせる。」

「なんやと、じゃぁウチなら1人で充分や。」

そんな言い合いを頼もしく思いながら、俺は決断を下す。

「2人とも100の兵で守って貰うよ。これは俺のお願い。いいね?」

「うむ、北郷がそこまで言うのなら・・・・」

「北郷の兄さんのお願いじゃぁ聞かん訳にはいかへんな。」

「この攻撃を凌げれば砦は守りきれるよ。みんな、頑張って行こう。」

俺は将達や兵達の前で声を張り上げる。

兵達の士気が上がるのを見て、天の御使いという肩書きも悪くないなと思ってしまった。

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2010年8月 5日 (木)

真恋姫†無双SS 董卓√ 第29話

敵の攻撃は熾烈を極めたがそれは相手に焦りがある証拠。

それを突くように指示した我が軍はのらりくらりと躱すように攻撃をしのいだ。

砦に籠もり時間稼ぎを重きとすれば正規軍である我が軍は、例え5対1の戦力差でも何とかなった。

我が軍には華雄将軍という一騎当千の将が居るのも優位に立てる点だった。

わざと隙を見せ、そこを抜けた兵を華雄将軍がたたき落とすという力業を行えたのも一陣を凌げた理由になるだろう。

 

「敵は引いたかな?」

俺は参軍として付いている副官に尋ねた。

「一度体勢を整えるようですね・・・・いまの戦闘で500ほどの兵力を失ったようです。」

「こちらの被害がほぼ無いことを考えるとかなりの戦果ではありますが、まだまだ戦力差は圧倒的です。このまま疲弊すればいずれ落とされることになるかと・・・。」

「そうだねぇ・・・・・でもさっきの攻撃を見ただろ。かなりの無茶責めだ。」

「はい・・・・。」

「奴らに時間の無い証拠さ・・・・それはもうじき解るよ。」

俺は続けてくる斥候の連絡に確信を持って言った。

 

場所は変わり、ここは西涼と董卓領の国境。

戦場となっている山間部とはさして遠くない場所だ。

「奴らちょこまか逃げやがって・・・・一気に追い詰めるぞ!」

馬上で槍を構える女性戦士はその凛々しい顔つきでぶっきらぼうな台詞を吐く。

「でも翠お姉さま、ここはもう国境ですよ・・・・」

その横に張り付くように同じく馬を駆る少女が進言する。

「そんなの知るか!賊達が逃げ込んだら董卓の所だって困ってるに決まってる。それに帝の命令だって有るんだ・・・」

「でも断りも無しに進軍したら後で問題になるんじゃないかなぁ」

「後で断っとけば問題無いって。」

『・・・・・これだから脳筋は・・・・・』

呆れる少女だったがそこに伝令が届く。

それは董卓軍からの軍使が訪れたと言うことだった。

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2010年8月 1日 (日)

真恋姫†無双SS 董卓√ 第28話

張遼が現れてから数刻後にこちらの斥候からも敵軍の様子が確認出来た。

数は約五千。

この陣に向かって真っ直ぐ向かって来ているとのことだ。

頭に黄色い布を巻いていることから黄巾党の一団だと言うことが解る。

俺は旗を陣に目一杯翳すように指示する。

敵に対しての威嚇と斥候に対しての撹乱が目的だ。

そして、陣幕で一息ついた張遼に話しかける。

「張遼さん、いまのうちなら反対側から脱出出来るよ。」

「ふーん、優しいなぁアンさん・・・・・でもウチはこの戦、付きおうたるわ。」

「えーと、でも張遼さんは俺達の軍とは関係ないよね・・・・」

「そんな寂しいこと言わんといてや・・・・・乗りかかった船や・・・・・それに・・・・」

「それに・・・?」

「これだけの戦力差をどうにかするっちゅうアンさんの手を見てみとうなったんや。」

「なるほどねぇ・・・・信用して貰えたのかな?」

「どっちかって言うと逆や。ウチは失敗したときの保険みたいなもんだとおもっとき。」

「へ?」

「アンさん1人くらいならウチが逃がしてやるから。」

「あぁ・・・・・そうならないように頑張るよ・・・・でも・・・・・・ありがとう。」

「・・・・・・・・・そない言われると照れるな。」

少し頬を赤らめる張遼にドキッとしながら、俺は立て続けに届く諜報に耳を傾ける。

どうやら敵軍はこちらを確認して少し手前で陣を整えている様だ。

「俺の予想通りならすぐに攻撃してくるはずだ。緊張を解くなよ。」

全軍にそう通達すると、その通りに敵軍は間を置かずに攻撃を開始した。

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萌将伝で恋姫分を補充出来たのでSSも頑張りたいと思ってます。

次か次ぎに意外な人が出てくるかも

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2010年7月31日 (土)

真恋姫†無双SS 董卓√ 第27話

「どうしたんだい?君は、張遼さん?」

騒ぎの起きている場所まで行き、俺は張遼に話しかける。

「おぉ、北郷の兄さん。大変や!こちらに賊軍が向かってくるで!」

「ふむ、どのくらいの数だったの?」

「なんや、あんまり驚いてへんなぁ・・・」

「一応、予想はしていたからね。で、どのくらいの戦力か解る?」

張遼は少し頭を捻ってから言った。

「大体だけど5000位は居たで。」

「えっ、5000かぁ、それはちょっと想像以上だよ。」

俺はこの砦の様子を確認する。

5000の兵を入れるとなると完成度は5割くらいか・・・・・・

俺は張遼にお礼を言い、そして尋ねた。

「教えてくれて有り難う。でも何でわざわざ?」

「あ、あぁ、そうやな・・・・・・・お兄さんを気に入ったからやな。」

少し照れながら言ったその言葉に俺は胸がどきどきした。

「えっ、ああ・・・・・そっか・・・・・有り難う。」

「で、どうするんや?いくら砦があってもこの数じゃそうそう持ち堪えんやろ。」

「そうだね・・・・・・・・。」

俺は冷静に状況を考える。

援軍を呼びに行ったところで早くて一週間は掛かるだろう。

それまで持ち堪えるかは微妙な感じだ。

そして改めてこの砦を見る。

5000の兵を入れるにしては少し手狭だ。

まだ未完成と見るならそうなのかもしれない・・・・ではなぜ未完成の砦に兵が訪れたのか・・・・

落とされたことを知って奪い返しに来たのか?

しかしそれにしては対応が早すぎる・・・・

「張遼さん、少し聞きたいことがあるんだけど・・・その山賊達は何か変わった点はなかった?」

俺は張遼に再度尋ねる。

「うーん・・・・・・・」

張遼はさらに頭を捻る。

「そういえば結構傷んでる奴らが居たなぁ・・・・どこかで一戦やらかしたのかもしれへんわ」

その言葉を聞いた俺は思いつくことがあった。

「そうなんだぁ、それなら持つかもしれないな・・・・」

そう言いながら副官に指令を出す。

「賊軍がこちらに向かっているからこの砦を死守するよ。各自配置につかせて。」

「城には報告の兵を送って。でも援軍は必要ないことを連絡して。」

俺がそう言うと張遼は反論する。

「おいおい兄さん、少し傷ついていても5000の兵やで・・・・守りきれるのかいな?」

しかし、俺は堂々と言った。

「あぁ多分大丈夫。何とかなるよ。」

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久しぶりの更新です。

萌将伝は一度終わって乙女演技を見直しています。

可愛く画かれた乙女達が良いですよね。

詠とか焔耶とかもデレて最高です。

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2010年7月14日 (水)

真恋姫†無双SS 董卓√ 第26話

こんな場所では単純な陽動でも充分有効だった。

突然押し寄せた主力に対し、山賊共は慌てて全兵力をその防備に回す。

その隙に別働隊が道案内を受け背後から急襲する。

山賊達はあっという間に蹴散らされた。

ただでさえ戦力が上回っているのに策を弄するというのはあまりフェアでは無いのかなと思ってしまうのだが楽に勝てるに越したことはない。

それよりも先日の村での疑問が何となく頭から離れなかった。

『この者達が何をしようとしていたのか・・・・・多分砦の様子を見れば判るはず。』

俺は暴れ足りなそうな華雄将軍と一緒に砦へと足を運んだ。

 

「なるほど、これはかなりの規模だね」

俺の第一声はそれだった。

「奴らは馬鹿だな。たった200人でこの砦を守るつもりだったのか。」

華雄将軍は嘲笑気味に呟く。

「200人なら確かに不相応だね。だけど・・・・・」

その台詞に俺は答えた。

「数千人規模の部隊なら丁度良い大きさだね。」

「ふむ、それはどういう意味だ?」

俺の言葉に華雄将軍は疑問の台詞を言う。

「嫌な予感は当たったみたいだね。ここは多分賊の前線基地として作られたのだろう。多分200人の山賊達は砦を作るために工作部隊と言ったところかな。」

と、そこまで言ったところで伝令が俺のところに駆け込んでくる。

「北郷様、こちらに向かって来る者が居ます。」

「ふむ、数はどのくらいなの?」

「一騎です。凄い速さに近づいてきます。」

そう言った瞬間、砦の入り口当たりが騒がしくなる。

そして、聞き覚えのあるイントネーションで良く通る声が聞こえた。

「ウチは北郷の兄さんに用事が有るんや!」

「急いでるんや、大人しく通さんと痛い目見るで!」

俺はその声の方に向かって、急いで掛けだした。

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久しぶりの更新です。

諦めては居ません。

とりあえず萌将伝楽しみですねぇ。

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2010年6月23日 (水)

真恋姫†無双SS 董卓√ 第25話

俺は彼女を見て挨拶をした。

「やぁ、君が武芸者さん?俺は城から派遣された軍を率いている北郷って言うんだけど・・・君の名前を教えてくれるかな?」

だが、その台詞に彼女は感嘆の表情をした。

「へーー、うち自分から名乗る官軍の大将と初めて逢うたわ・・・・」

そして俺の顔をジロジロ見回しながら名乗りを上げた。

「おっと、うちは張文遠っていうケチな武芸者や。ふーん・・・・・なんかお兄さん官軍って感じがしやせんなぁ・・・」

「そう?まぁ、褒め言葉と受け取らせて貰うよ。」

「あははは・・・・・おもろいなぁ・・・・・気に入ったわ。」

張遼はその場にどかっと座るとこちらに正対した。

よく見ると布面積は広いものの結構目のやり場に困る格好をしている。

「で、何か聞きたいことが有るんやて?」

「あ、あぁ・・・・張遼さん・・・でいいのかな?実は少し前にこの村を襲った山賊について何だけど・・・」

「あぁ、あの野郎共のことやろか・・・・・」

「うん・・・・・撃退したって聞いたけど、何人くらい居たのかな?」

「ほんの20人くらいやったわ・・・・軽く撫でたら逃げ帰って行ったで」

「ふーん。本当に探りに来ただけなのかな・・・・・・近くの山砦に200人くらい籠もっているはずだけど再度襲撃とかは無かったの?」

「いーや、村長はんからはまた来られたら困るからって滞在するように頼まれたんやけど三日ほど音沙汰無しやな。」

「そうかぁ・・・・」

この村を偵察に来たのなら三日も山賊共がそのままにするとは思えない。

と、いうより偵察などする物だろうか?

200人の山賊ならこの程度の村はひと呑みだろう・・・・・

と言うことは別の理由で山賊達は山に籠もっているのでは・・・・・・

俺は無い頭で色々考えたが結論は出てこない。

「なんか難しい顔しとるなぁ・・・・あんま考えても良いこと無いで!」

そんな俺の表情を察したか張遼が声を掛けた。

「あ、あぁ・・・・有り難う張遼さん。参考になったよ。とりあえず山賊共は俺達が退治するから。」

「村長さん達も安心してくださいね。」

そうお礼をすると俺は村人から山の地理に詳しい人物を募った。

前方を囮にして後方から遊撃するという古今東西ありがちな戦法をとるためだ。

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2010年6月16日 (水)

真恋姫†無双SS 董卓√ 第24話

「それで、詠・・・・・賈軍師からの報告だと近くに村があるそうだけど?」

俺は軍の補佐官に尋ねる。

「はい、ここから1里ほど離れた場所に有ります。」

「1里か・・・近いね・・・・その村は山賊達の被害は受けてないの?」

中国大陸で言う1里とは約400mのことだ。

「何度か襲撃されたとの報告はありますが今のところ防いでいるとのことです。」

「へぇ、凄いね。」

それを聞いた俺は少し考えた。

いくらこちらが5倍の戦力とは言え山砦に籠もっている敵相手に力押しではそこそこの被害が出かねない。

大切な兵達は出来るだけ減らしたくない。

「そうだ、その村に行って話を聞いてこよう。もしかしたら何か情報が得られるかもしれない。」

俺はその村に向かうことを補佐官に告げた。

補佐官には『別の者を向かわせれば』と反対されたが、俺は是非自分の目で見ておきたかったので充分な護衛を付けると言うことで説得した。

そうして村に斥候を出すと俺は村の中に入った。

村の周りには柵が張り巡らされそれは山賊に対する防護であることが推測された。

俺は門番と思える若者の案内で村長宅に案内された。

そして、村長と思われる初老の男性に話しかけた。

「貴方がこの村の村長さん?俺達は城から山賊退治に派遣された軍だけど少し話を聞いても良いかな?」

「これはこれは太守様のお気遣い有り難うございます。なんなりとお聞きください。」

恭しく返事をする村長。俺は少し疑問に思ったことを尋ねた。

「山賊達はこの村にも襲いかかったと聞いたけど良く無事だったね。見たところそんな被害も無いようだけど。」

先日の件もあるので若干色眼鏡だが最初から疑うのも良くはない。

「はい、山賊達は襲撃と言いましても下調べの序でのような感じでした。それに丁度今、当村に武芸者の方が逗留していましてその方が追い返してくれたのです。」

「へー、武芸者さんねぇ・・・・その方にお会い出来るかな?」

「あ、はい。丁度お礼も兼ねて当家にもてなさせて頂いて居ますので・・・・おい、張遼様を呼んで来てくれるか?」

村長は小姓に声をかけると呼びに向かわせた。

『・・・・・今、聞いたことのある名前が出てきたけど・・・・・・・・』

そう思ったときに奥から女性の声が聞こえた。

しかも、それは前の世界の友人から良く聴いた感じのイントネーションだった。

「ウチは堅苦しい事は嫌やねん。城の使いなんぞに会いたくなんかあらへんで」

「申し訳ありません。でも主のご指示ですので。」

「しょうがあらへんなぁー、世話になってるやから・・・・・顔を出すだけやで?」

そうして奥から現れた人物は年の頃は俺と同じくらいの美少女だった。

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またまた久しぶりの更新。

そしてこの子登場です。

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